平成16年6月18日
厚生労働大臣             坂口 力 殿
厚生労働省医政局長     岩尾 總一郎 殿
厚生労働省医薬食品局長 阿曽沼 慎司 殿
 
                                                        要望者 日本骨髄腫患者の会
                                                                 代表 堀之内みどり
 

要   望   書


件 名

「新しいがん治療薬の治験・承認環境のさらなる改革促進、特定療養費制度・未承認がん治療薬にかかる混合医療・保険適用対象薬の拡充」に関する要望


1 サリドマイドの早期承認と健康保険適用、および米国「STEPS」のような流通管理
システムの確立を要望する

1 多発性骨髄腫の新治療薬、VELCADE®(bortezomib)の早期承認と健康保険適用を要望する

1 ビスフォスフォネート剤の早期承認と健康保険適用を要望する


趣 旨

  対がん10ヵ年総合戦略は20年を経過し、本年は第3次戦略の初年度にあたります。      この間幾多の患者が癌で亡くなり、また現在も多くの方々が苦しい闘病生活を送っています。新薬の開発・治験・承認・利用環境などがん患者は欧米水準の医療・治療を日本でも受けたいと熱望しています。
政府・厚生労働省は、肺がん治療薬・慢性骨髄腫白血病・消化管質腫瘍の新治療薬の迅速な承認、抗がん剤併用療法検討委員会設置など、施策を講じられ、我々も希望を持つ事が出来る様になってまいりました。更なる改革の推進をお願いします。
我々が闘っている多発性骨髄腫は血液癌の約10%を占め、白血病、悪性リンパ腫に次いで多く、しかも生存期間が数年と言われ、日本では毎年約3000人が羅患し、ほぼ同数の患者が命を落としていると思われます。現在のところ完治させる治療法のない難病であり、骨病変、造血障害、腎臓障害、神経障害等に苦しみ、長期間病床に伏さざるを得ず、患者は勿論のこと家族も日々の病の進行・再発の恐怖におののきながら、闘病を続けています。
欧米を含め先進国では既に広く使用され、多くの骨髄腫患者の命を救っている各種の新しい治療薬や、骨病変による患者の痛みを和らげ、骨の損傷を防ぐ治療薬が、数年前より患者の会から繰り返し要望書を提出しているにもかかわらず、日本では未だに骨髄腫の治療薬として承認されておらず、使用困難な状態にあります。従来の治療薬・治療法の効果がなくなった多くの日本の骨髄腫患者は、これら新薬による治療を受ける事無く命を失っています。人道的にも、医療倫理の観点からも許されない状態にあります。
ここに、多発性骨髄腫患者の延命、及び闘病中の生活の質(QOL)の向上をはかり、少しでも希望のある闘病生活が送れる様、治療薬の開発・早期承認について格別の配慮を要望します。

1. サリドマイドの早期承認については、1999年5月21日、2002年10月28日及び2003年7月9日に日本骨髄腫患者の会より要望書を提出しておりますが、残念ながら日本では未だに承認されていません。欧米では多発性骨髄腫に対するサリドマイド単剤及びサリドマイドと他の抗がん剤の併用による治療が広く行われており、併用による治療では治療患者の70%以上に効果が認められています。
 日本では未承認薬のため、患者が望んでもサリドマイドによる治療を受けられない病院が多く、従来の抗がん剤での治療に反応しなくなった多くの患者が命を落としています。
患者の会にもサリドマイドでの治療を望みながら、その希望をかなえられない多くの患者・家族からサリドマイドの早期承認を望む声が数多く寄せられています。           
時間的猶予のない、私達、多発性骨髄腫患者の切実な声を是非叶えて頂き度、早期承認と健康保険の適用を再度、強く要望します。
 又、その上で、サリドマイドについては過去における悲惨な薬害を万が一にも繰り返さない為に、患者の会より2002年10月28日と2003年7月9日にその安全な流通管理システムの早期確立の要望をしました。 このことはサリドマイドの承認と切り離せない課題であり、その為にもサリドマイドの安全な流通管理システムの確立を再度要望します。

1.VELCADE®(一般名Bortezomib)は2003年5月13日米国FDAによる米国の迅速承認プログラム(The accelerated approval program)【実質的なエビデンス以前に有望な効果に基づいて早期承認を許可することにより、生死に関わる疾病に効果が期待できる薬剤を開発の段階から使用可能にするもの】に従って、申請からわずか4ヶ月で承認されました。
我が国で、昨年承認された新肺がん治療薬の承認と同時期(2003年5月5日)でした。
一方欧州に於いても、VELCADE®は2004年4月27日にEuropean Agency for the Evaluation of Medicinal Products(EMEA)により早期承認されました。 以来、欧米では多発性骨髄腫の治療薬として広く使われるようになり、既存の抗がん剤による治療効果が無くなり死を待つしかなかった多くの多発性骨髄腫の患者がこの新薬VELCADE®(bortezomib)によって命を救われています。またVELCADE®(bortezomib)単剤での効果は勿論のこと、それ以上にVELCADE®(bortezomib)と他の抗がん剤との併用療法での一層の効果が次々と報告され、日本よりも多人種・異文化が多様な欧米で迅速な承認・利用がなされています。日米欧三極医薬品規制調和国際会議のガイドラインを大幅に取り入れ、米国・EUを初め先進国で承認された治療薬は直ちに日本でも承認し、不作為によって失われている多くの患者の命を早急に救うべきであると考えます。
日本でも製薬会社によるVELCADE®(bortezomib)の治験が進められていると聞いています。製薬会社より承認申請が出されましたあかつきには、患者の切望をお汲み取り頂き、 欧米先進国同様、速やかに承認されるよう切に要望します。
又、治療薬として承認がなされるまでは、患者自身の自己決定権・自己責任に基づく、
同治療薬の使用並びに健康保険の混合医療を可能とする措置(特定医療費制度対象薬とする事)を速やかにお採り頂きます様、切に要望致します。

1. 多発性骨髄腫の患者の多くは病気により骨溶解、骨折、疼痛、運動障害、脊髄圧迫  
麻痺などの骨病変による症状に苦しんでおり、患者のQOLを著しく悪化させています。患者にとって、ビスフォスフォネート剤の服用により骨病変を予防し、骨の損傷の進行を抑えることは、良いQOLを保つ上で極めて大事です。
多発性骨髄腫による骨病変に苦しむ患者を救済するためにも、日本の骨髄腫患者が欧米先進国並みの治療を受けられる様、ビスフォスフォネート剤の一刻も早い審査・承認を要望します。

1)アレディア
 ビスフォスフォネート剤のひとつであるアレディアは、 欧米において多発性   
 骨髄腫の標準治療薬として認められており大きな治療効果をあげています。残念ながら日本でのアレディアは高カルシューム血症の治療薬としての承認しかされていないため、多発性骨髄腫の患者が希望しても病院でアレディアの治療が受けられない状態が続いており、多くの患者が骨病変による痛みに苦しみ、入院を長期化させています。アレディアを多発性骨髄腫の治療薬として直ちに承認して頂く様、要望します。

2)ゾメタ
ビスフォスフォネート剤のひとつであるゾメタ(ゾレドロン酸)は米国では2002年2月に、欧州では2002年7月に固形癌骨転移、および多発性骨髄腫による骨病変の治療薬として承認され、広く用いられています。
 ゾメタはアレディアの1000倍の効果を持つと言われており、点滴時間もアレディアが数時間必要なのに対して数十分で済むことから患者の負担も少なく、骨病変に対する新薬として大いに期待されています。日本では現在製薬会社より承認が申請されております。日本での承認を待ち望む骨病変に苦しむ患者のためにもゾメタの早期承認を要望します。

3)YM529
ビスフォスフォネート剤のひとつであり、日本の製薬会社により開発された「YM529」の治験が多発性骨髄腫患者で実施されました。患者の会より「YM529」の治験に参加した多くの患者から、「YM529」によって骨痛が解消した、「YM529」の服用を続けたいとの強い声が届けられています。
  「YM529」は日本の製薬会社によって開発された新薬であり、経口薬の為、点滴が必要な他のビスフォスフォネート剤に比べ、点滴の為の通院が必要なく患者のQOL向上に大きなメリットがあります。
「YM529」の多発性骨髄腫への早期承認を要望します。
           


連絡先 「日本骨髄腫患者の会」 代表 堀之内みどり
     〒184-0011 東京都小金井市東町4-37-11
      Fax:042-381-0279
     e-mail Address:owner-imfjapan@myeloma.gr.jp
ホームペ−ジのAddress:http://www.myeloma.gr.jp/

以上

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