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厚生労働大臣 坂口 力 殿
厚生労働省医政局長 篠原 英夫 殿
厚生労働省医薬局長 小島 比登志 殿
要 望 書
件 名 「多発性骨髄腫の治療薬であるサリドマイド及びベルケード(Velcade)の早期承認」
要望
1 サリドマイドの早期承認と健康保険適用を要望する
1 多発性骨髄腫の新治療薬ベルケードの早期承認と健康保険適用を要望する
1 サリドマイドについては、米国STEPSのような流通管理システムの確立を要望する
趣旨
近年における多発性骨髄腫の治療の進展には著しいものがある。特に医療先進国においてはサリドマイド単剤、およびサリドマイドとステロイド剤との併用療法などが大きな成果をあげており、サリドマイドが有効な治療薬であることは、すでに国内外で広く認められている。またベルケードの出現もこの難病に対する革新的な新薬として大きな期待を寄せられており、多発性骨髄腫の治療法はサリドマイドやベルケードの出現によって根本的に変わろうとしている。
サリドマイドは、米国ではFood and Drug Administration(FDA)により1998年10月に、ヨーロッパではEuropean Medicines Evaluation Agency of the European Commission (ENL)により2001年12月に、オーストラリアでは2002年3月に多発性骨髄腫のオーファンドラッグ指定を受け、多発性骨髄腫患者の治療薬として広く用いられるようになった。しかもサリドマイドは今や末期の患者だけでなく、初期治療も含め骨髄腫の治療全般にわたって欠くことのできない薬にさえなっている。しかるに日本では未だに製薬会社からの承認申請が無いため未承認薬のままであり、その恩恵を受けられる患者は少ない。その結果、多発性骨髄腫に対する有効性が認められながらも、日本ではサリドマイドで助かるはずの患者が毎年数千人の規模で命を失っている。化学療法に抵抗性が生じ、治療法がなくなった患者がサリドマイド治療を望もうとも容易に叶わないのが現状なのである。
ベルケード(Velcade又はBortezomib)は2003年5月13日、米国FDAによって多発性骨髄腫のために承認された注射剤である。難病であるこの病気にとってベルケードは過去10年以上で、初めて骨髄腫患者を対象に認可された新世代の抗癌剤であり、治療を一変させる可能性の高い薬剤である。この薬剤は米国の迅速承認プログラム(The accelerated approval program)【実質的なエビデンス以前に有望な効果に基いて承認を許可する事により、生死に関わる疾病に効果が期待できる薬剤を開発の初期段階から使用可能にするもの】のもと、申請からわずか4ヶ月で承認された。日本においても多発性骨髄腫に苦しむ多数の患者の救済を第一に考え、一刻も早い審査と承認を要望する。
一方サリドマイドには過去における悲惨な薬害問題があることも事実である。新しく見出された素晴らしい薬効を大事に育てるためにも、過去に経験した悲劇を絶対に繰り返さない必要がある。それが人間の英知というものであろう。そのためにはサリドマイドの安定供給と薬害防止に役立つ流通管理システムの確立が急務であると考える。そこで私たちはサリドマイドの早期承認・健康保険適用と同時に、米国STEPSのような流通管理システムの確立を要望する。
以上の趣旨をもって、私たちは国民の健康と生命を守る使命を担う厚生労働省がサリドマイドとベルケードの早期承認、および健康保険適用を早急に定め、多発性骨髄腫の患者が一刻も早く医療先進国並みの治療を安心して受けられるように要望する。
2003年7月9日
要望者
「日本骨髄腫患者の会」 代表 高橋 健二
連絡先
東京都小金井市東町4-37-11
事務局 堀之内みどり
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