舛添要一厚生労働大臣に要望書を提出

日本骨髄腫患者の会では2008年8月22日に舛添要一厚生労働大臣に要望書を提出しました。

要望

1. サリドマイドの多発性骨髄腫治療薬としての承認
2. 「サリドマイドの教育と安全使用に関する管理システム」の早期完成



平成20年8月22日

厚生労働大臣 舛添 要一 殿

日本骨髄腫患者の会

代表 堀之内みどり

多発性骨髄腫治療薬サリドマイドに関する要望書

第1.要望の趣旨

 サリドマイドは多発性骨髄腫の治療薬として世界17ヶ国(参考資料)で承認されている。また、我が国でも未承認薬使用問題検討会で早期承認が望ましいとの結論を得、希少疾病用医薬品の指定も受けている。これら事実からサリドマイドの抗骨髄腫作用は明白であり、議論の余地はない。
 しかし、我が国においては2006年8月に承認申請されているにも関わらず未だに承認に至らず、依然として緊急避難的手段であり安全管理上の問題も無いとは言えない個人輸入への依存を余儀無くされている。このような状態の継続は治療薬への平等なアクセスのみならず安全管理の観点からも許されるものではなく、直ちに改善される必要がある。
 日本骨髄腫患者の会(以下患者の会)は1999年以降繰り返し早期承認および教育・安全管理システムの早期構築を要望してきた(参考資料)が、今般改めて次の2点の即刻実施を要望する。

1. サリドマイドの多発性骨髄腫治療薬としての承認
2. 「サリドマイドの教育と安全使用に関する管理システム」の早期完成


第2.要望の詳細

1.サリドマイドの多発性骨髄腫治療薬としての承認

 サリドマイドは既に17カ国で承認されている。(参考資料
 本邦においては希少疾病治療薬指定を受けているにも関わらず、2006年8月の藤本製薬による承認申請から2年経過した今も承認されていない。
 ついては、以下を要望する。

 (1) 承認及び薬価収載等保険適用に必要な諸手続の即刻実施
 (2) 上述諸背景にも関わらず早期承認されなかった理由の公表


2.「サリドマイドの教育と安全使用に関する管理システム」の早期完成

 1)サリドマイドの教育と安全使用に関する管理システムについて
 藤本製薬は、胎児へのサリドマイド曝露防止を目的に、サリドマイドの安全管理のための方策を検討し、サリドマイド製剤安全管理基準書案(以下基準書案)を作成した。

 2)基準書案とは
 基準書案は、承認申請後2年間かけ厚生労働省安全対策課の指導の下、藤本製薬により作成された。作成に際し、関係者による意見交換の場「自由討議」や、サリドマイド被害者団体いしずえ、安全対策課、藤本製薬、患者の会による「4者会議」など各々複数回に亘る議論がなされ内容に反映された。またその他にも度重なる個別のミーティングが行われた。

 3)基準書案合意までのプロセス
 前項のとおり基準書案は、関係各所の意見を考慮し完成する方法がとられた。その過程においては、『患者不在』と感じられる議論もあり、失望を禁じえなかった。闘病中の患者を試運転の対象とするなど異例の要望もあり困惑しつつも患者の会は早期完成のため協力を惜しまなかった(参考資料)。
 そして、本年2月22日の4者会議において基準書案の内容は概ね合意された。その後、患者協力による試運転の総括のため5月21日に最終の4者会議が開かれ、基準書案の内容が合意された。

 4)「サリドマイドの教育と安全使用に関する管理システム」の早期完成
  このようなプロセスを経て完成された基準書案を関係者および有識者によって公の場で再確認するのが、8月26日に開催される検討会の目的であると認識している。ここに至るまでの経緯を踏襲する検討会の運営を要望する。



第3.総 括

 多発性骨髄腫は生命に関わる疾患であり、サリドマイドによって治療機会を得られたなら延命できる患者が確かに存在する。殊に、承認審査が長引いている2年の間に治療機会を得られず失われた患者の命の重みを、承認権限を有する厚生労働大臣以下当局関係者及び基準書案の検討に携わった関係各位は自覚するべきである。(参考資料

  安全管理システムなくしてサリドマイドが市販されないことは自明のことであり、本システム完成が患者の生命予後に大きく影響を与える。
 本検討会等が徒に長引き、サリドマイドの保険適用・市販が更に遅延することによって失われる命があるならば、それは日本国憲法が保障する生命に対する権利を法律の定める手続きによらず奪われるに等しく、このような不条理を容認することはできない。承認権限を有する国は断じてこのような事態を招いてはならない。

以上



「多発性骨髄腫治療薬サリドマイドに関する要望書」全文 PDF形式 PDF

参考資料1PDF形式 日本骨髄腫患者の会がこれまでに提出した要望書タイトル一覧
参考資料2PDF形式 多発性骨髄腫の治療薬としてサリドマイドを承認している国一覧
参考資料3PDF形式 日本骨髄腫患者の会による安全管理システム試運転の協力表明
           (2008年1月)
参考資料4PDF形式 サリドマイドに関する患者アンケート結果総括
           (2007年8月アンケート実施)
参考資料5PDF形式 新薬を待ち望む「患者と家族の声」からサリドマイド関連の抜粋
           (2006年7月)

プレスリリース (2008/8/25) PDF形式

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